国際言語学者の溝江達英です。
よく Thank you. といいますが、この完全文はI thank you. というSVOの文章です。
英語はS+V+Oの3つの箱を意識して、そこにしかるべき単語を入れていきます。
Thank you. は 主語位置にIが本来あるべきで、そのIを入れて、I+THANK+YOU. の3つの箱が完全に満たされて、充足します。
SVOの枠が100%充足しているところに、なにか付加情報を足したい場合
前置詞をつがいにします。
【I thank you】 for 【your support】.
forを仲立ちとして your support (あなたの応援)が接合されます。
まるで列車で例えれば
【第一両車】 for 【第二両車】
for が第一両車と第二両車の間の留め金、接合部分になっています。
全部、第一両車に情報満載で積み込めれば良かったのですが、SVOボックスが充足してしまい満タンになってしまったため、第二両目が必要となってしまいました。
この第一両目に載せきれなかった情報を積み残し情報と呼びます。
ここで第一両目は乗客満員! 二号車へ移ってください!と指示を出しているのが前置詞なのです。
The teacher punished me.
先生が私を叱った。
これでSVOが充足されてしまっています。
えっ?!なんで叱ったのだろう。という理由を積み残している文章だと感じると、前置詞を仲立ちにして、その理由を語る二両目を接合します。
The teacher punished me for lying.
嘘をついて先生に叱られた。
1両目の情報積み残しが前置詞で示されると分かれば、英文の構造が一気にクリアーになって見えてくるはずです。
Parents should discourage their kids.
親は子どもたちのやる気を削ぐようにしなきゃならない。
ええ?! とんでもない!! なんで?!
でも文章上はSVOが充足してしまっています。
これ以上この文章には情報が足せません。
ではここに2両目を登場させるべく、前置詞に出てきてもらいますが、 人に〇〇をさせないようにする、いかにも妨害系の動詞は、1両目と2両目の間に、fromが来るのです。
【Parents should discourage their kids】という1両目が満載なので
from をつなぎにして
【spending too much time on social media 】
このような形でつなげます。
親は子どもたちがSNSで長時間過ごすのをやめさせなければならない。
このような感じです。
積み残し部分にどのような前置詞、例えば、for, with, from, to が来るのかは、第一車両の動詞が、第二両目と相性のいい、つなぎのパーツを要求します。
Thankのような感謝系なら、forと相性がいいですし、
Discourage のような妨害系だと、fromと相性がいいのです。
He helped me with my math homework.
彼は私の数学の宿題を手伝ってくれた。
これも
He helped me. でSVOが充足し
withが第一両目と第二両目のつなぎとなり
my math homework. が接合されます。
help、provide, supplyなどの提供型動詞はwithを積み残し情報のサインとして使います。
SVOが充足した後の積み残しサインとの連動を見極めて、文章を拡張してみましょう。
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