国際言語学者の溝江達英です。
カナダの大学で生徒に日本語のテストをする時、決まって今まで既習事項の文章を音読してもらいます。
ははははははとわらった。
日本人なら何の問題もなく読めます。(母はハハハと笑った。)
それは私達は文法を内蔵しているからです。
Buffalo buffalo buffalo buffalo buffalo.
私達はバッファローを5回発音はできますが、意味がわかるでしょうか?
これは言語学者の中では有名なBuffalo文と言われるものです。実はこれはれっきとした文なのです。
【Buffalo buffalo】buffalo 【buffalo buffalo】.
実はbuffaloは名詞にも形容詞にも動詞にもなるのです。(ちなみに名詞のbuffaloは単複同形で複数形でもSがなくてもいいのです。)
【 】で囲まれている冒頭のBuffalo buffaloはアメリカのバッファロー州のバッファローの群れが
buffalo は動詞でいじめる・怖がらせる
何を怖がらせるかというと
(他の)バッファロー州のバッファローの群れを
怖がらせることになります。
まとめると
バッファロー州のバッファローが他のバッファロー州のバッファローを怖がらせる。
という変な意味ですが文法テストで使われます。
ここでテストされるのは実は息継ぎです。息継ぎがされる場所が文法の切れ目だからです。
最初2つのBuffalo buffalo は固めて読んで、一旦ポーズ
動詞のbuffalo を読んで一旦ポーズ
そして、一気に残りのbuffalo buffalo と読みます。
意味が分かっている人は文法が分かっている人で息継ぎが正しいのです。
ここからははきものをぬげ。これはどうでしょうか。
(1)ここから履物を脱げ。
(2)ここからは着物を脱げ。
脱ぐものが変わります。音読ができなければ息継ぎの部分が分からないので意味が分かっていないのです。
The host greeted the guest with a smile.
(1) The host greeted the guest. ここで一旦切って、ポーズを置いて、with a smile.
これならば主人はお客さんに笑顔で挨拶した。(笑顔を浮かべているのは主人)
(2) The host greeted / ここで一旦切って、the guest with a smile.
これならば、主人は笑顔を浮かべているお客さんに挨拶をした。(笑顔を浮かべているのはお客さん)
このように区別されます。
音読ができない=意味が分かっていない。を肝に命じると、もう黙読で英語を勉強すること自体が悪になります。
いつでも、どこでも、なんでも音読
音読のスピード=リスニングできるスピード
これを肝に命じるだけで格段と語学学習のスピードがあがります。
音読を馬鹿にせず1日たった1文でいいので取り組んでみましょう。理解できる幅が拡張するのは間違いないです。
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