これまで“後ろ向き“だったあなた。
もうそれは今日でおしまい。
これからは“前向き”でやっていきましょう。
あっ誤解しないでくださいね。
メンタル的な話ではありません。
データサイエンティスト的、「データ活用」の話です。
目線がどちらを向いているか
医学研究の世界では、「前向き研究」「後ろ向き研究」という言葉があります。
「前向き研究」とは、研究内容を企画してから、それ以降に新たに生じる事象について調査する研究。
「後ろ向き研究」とは、過去の事象について調査して、その中から結果を求める研究のことです。
何かしらの結論を、前(未来)を見て導き出すか、後ろ(過去)を見直して導き出すか。
ということですね。
この概念はそのまま、私たちのビジネスに不可欠な、データの活用法にも当てはまります。
「後ろ向き」なデータの活用とは、これまでにすでに起きたデータから、必要な部分を抽出、整理して利用する方法です。
つまりは、「すでに存在しているデータを活用する」ということ。
例えばECサイトであれば、
- 昨年の月ごとの売り上げを調べることで今年の月別売り上げ予測を立てる
- これまでのPV数とUI数の推移を調べることでサイト改善案を検討する
こういったごくごく一般的に行われているデータ活用法が「後ろ向きデータ収集」です。
決して「後ろ向き=ネガティブ」といったマイナスな意味ではないのであしからず。
反対に、「前向き」なデータ活用とは、何かテーマや、課題を持って行った施策に対して、その結果やログを意識して確実に拾っていくことから始め、それらを活用に結びつけること。
明確な目的と、確実な方法を持って先々のデータを収集していくことで純度、精度の高いデータを確保し、それを活用すること、を指します。
この場合、「現時点では存在していないデータを活用する」というところが特徴です。
例えば、筋トレの場合、自分に合ったトレーニング方法を確立していくために、
- 毎日の摂取カロリー
- トレーニング量
- 体重の増減
といったデータを綿密に収集しながら、常に内容を見直し、改良をしていく。
それらを長期的に続けていく。
そんなやり方が「前向きデータ活用」です。
私たちは前を見ていこう
この2つに優劣があるわけではありません。
データを使って何をしたいか、によって向く方向が決まります。
つまり使い分けることが重要です。
一般的なビジネスであれば、「計画」「予測」「リスク」といった概念と安全側への思考から、過去から未来を予測する「後ろ向き」データ活用が多く活用されています。
確かに説得力があるように感じますし、「ちゃんとした仕事感」があるので多くの人に好まれます。
しかしデータサイエンティストを目指している方、また私たちのようなWebビジネスに携わる者においては、常に「前向きデータ活用」にベクトルを向けていなくてはなくてなりません。
その理由は、私たちの業界が「昨日の常識はすでに今日通用しない」といわれるほどに変化の激しい世界だからです。
日進月歩が激しく、栄華衰退の激しいWebビジネスにおいては、過去のデータの信憑性が他と比べて低い傾向にあります。
「昨日まで通用した手法が今日は使えない」そんな変化が日常茶飯事の世界では過去のデータにそれほど価値はありません。
それよりも先へ先へと、未来を見越した目線、変化を受け入れ、内包していくこれからのデータにこそ注力すべきなのです。
人工知能だって楽な方がいい
そしてこの「前向き」な考え方は、「ビッグデータ」「AI」といった私たちがこれから外すことのできないキーワードともとても相性の良いものでもあります。
「前向き」な目線で収集されたデータは、「何も考えず闇雲に収集された過去のデータ」に比べてしっかりとした設計とパッケージングがされています。そうなるとクルージングの必要性がありません。
それらはデータ解析やAIへの活用をとてもスムーズで効果的なものに変えてくれます。
乱雑な過去のデータを用いるのか、これから整理しながら収集する未来のデータを使うのか。
ちょっと目線を変えるだけで、より手軽に、スピーディーに、それらの恩恵を受けることができるようになるのです。
これから先、必ず押さえておくべきマインドセットです。
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さて、それでは「前向きデータ活用」とは具体的にはどんなものでしょうか?
どうすればそのスキルが身につくのでしょうか?
その発展はまた次回としましょう。
今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。
You
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