国際言語学者の溝江達英です。
先日、1時間でスペイン語の自己紹介、1時間でイタリア語の自己紹介、1時間でフランス語の自己紹介というセミナーを行いました。そこで教えていることは、自己紹介に限って言うならば1時間程度でスラスラできるということです。しかもなんの言語でも。自己紹介で言うことはほぼほぼシナリオが決まっています。あなたの名前はなんで、どこの人で、趣味はこうであって、夢はこんな感じでみたいな一連のパターンがあります。売れるセールスマンも話が上手い講演家も、みな立板に水の染み付いたシナリオがあります。無論、自己紹介においてはある程度のシナリオがあり、そのシナリオさえ、スムーズに言えてしまえば、その基本ができた上にどんどん追加表現をアレンジして加えていけばいいのです。
名前は I’m 名前
国籍は I am from 国名
話す言語は I speak Japanese.
やりたいことは I want to
できることは I can
こんなめちゃくちゃ簡単な表現をよどみなくつなげて言えさえすればそれなりにまともに聞こえるのです。
私は受講者の自己紹介をビデオに撮りました。受講者にはイタリア語での自己紹介を紙を見ないでやってごらんという軽いプレッシャーをかけてやっていただきました。
そしたらできること、できること。
英語の方がイタリア語より簡単だという激しい思い込みが日本人にはあるようですが、英語はあくまで義務教育を通じて馴染みがあるというだけであって、実はイタリア語の方が日本人にとっては英語よりも遥かに簡単だということに気がついたりします。
人はどうしても自分に関係のない単語だったり表現を覚えようとはしません。それは当たり前の反応だと思います。ただ、自己紹介となると、自己紹介をしない人はいないので、必ずや極めておきたい項目です。ぜひ一度はしっかりとした鉄板の自己紹介を練っておき、外国語でスムーズにできるようにしておきましょう。
自信をつけたいのなら、【できること】をひたすら繰り返すこと。ひたすら鉄板の自己紹介を作ってみて、慣れてきたころに、改良を加え、いいものにしていく。そのファーストステップとして、暗記してしまえるレベルの短文を作ってしまいましょう。
話しはそれますが、先日、家電量販店で最新のマックブックを買いました。全く買う気がないのに見ていたところに、中国人の店員がこれでもかこれでもかと畳みかけてきたのです。彼にはそれこそ、迷っているお客を落とすシナリオがあるように思えました。
アカデミックパックで学生と同じ値段にします。
ポイント15%にします。
あと在庫2個しかないですなど。
どんどん、短文で強い言葉を畳み掛けてきたのです。
私も店員が中国人と分かると習いたての中国語で自己紹介。
中国人の店員は私がフランス語やロシア語が話せると知ると、仏語やロシア語で自己紹介してきたのです。
そんなこんなで場があたたまっているうちに、マンマと乗せられて買う気もないパソコンを買ってしまうわけですが、その時、感じたのは、
店員側には売り落とせるシナリオが自分の中にあり、売れるセールスマンは常にツボを抑えている。
こういう瞬間を自分が購買者として直に味わったわけです。
そこにシナリオの強さを感じました。
たった片言の外国語でさえグッと距離が縮まることがよくあります。いろんな言語での自己紹介を仕込んでおくだけでとんでもないおまけが得られたり、交流が広がったりするものです。
自己紹介=自分を知ってもらうことだけで捉えていたらもったいないです。その鉄板のシナリオが爆発的なセールスをもたらしたり、交渉先の相手とグッと距離を縮められる手段になりうるとしたら馬鹿にできないものです。自分の中に鉄板ネタを仕込んでおきましょう。
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