国際言語学者の溝江達英です。
ナンパをして一番振られた人がみんなの食事代を持つというゲームがあるそうです。そのゲームの結果は、一番振られた人が、同時に一番、ナンパがうまく行った人でもあったという結果が出ました。失敗を重ねていくうちに、失敗が麻痺してきて、どんどん声をかけることに抵抗がなくなり、結果、だんだん、うまくアポを取り付けられるようになったというのです。ホリエモンの言葉を借りれば、まさに、成功は逆境から生まれるが体現された形です。
この実験の内容は実は英語学習法の本の中で知りました。本の著者はメンタリストのDAIGOで、彼は一度も海外留学をしたこともないのに、オックスフォード大学教授に英語でインタビューできたその秘密を明かしているのです。
その本の肝となることは、とにかく失敗する。負荷の高い勉強をする。英語と筋トレは同じ。こういう理論です。
とにかく場数が大事なのは言うまでもなく、失敗の数だけうまくなることを重要視しています。恥をかけば、その恥ずかしい体験は一気に脳に刻み込まれるというわけです。
肉体の運動という観点から見れば、失敗数=それだけ体を動かしていることと同じです。無論、挑戦する際には脳内にも負荷がかかり脳内ネットワークがフル活動します。最近の統計では語学を含め、新しい知識を取り入れようとする人とそうでない人との60歳以上の生存率は20年後で2倍違うというのです。新しい知識を受け入れ続けると脳が変わることが明らかになっています。何よりも新しい知識を入れ続けることで、多様性に富んだ判断ができ、狭視眼な思考に陥らず、ストレスが軽減され、結果、長生きになるとも言われています。
冒頭のナンパの実験ですが、そこでは、切羽詰まった理由に駆られて(=失敗したら食事代をみんなの分持たなければならない)参加者が頑張ったことを思い出してください。私達が、何かを完全に身につけるためには、程よいストレスを越えた、切羽詰まった状況がないと学習が加速されないのも事実です。
自分を切羽詰まらせる意味でも、海外に行くのもいいと思います。それが叶わない人は、日本にはいま外国人がたくさんいますから、彼らに日本語を教えてみたらいいと思います。それも叶わない場合は、つとめて、テレビやラジオの語学番組も併用して勉強することを儀式として課すことをおすすめします。儀式とは歯磨きのようなもので、必ず日常生活で行う動作に組み込んでしまえばいいのです。
私もいろいろな種類の語学学習本や論文を読みましたが、インプット絶対量というものがあり、英語でも仏語でもイタリア語でも、ある程度の量を聞くことが必要不可欠なのです。音に触れ続けることが必要です。赤ちゃんも、最初から話せるわけではなく、溜まった音が溢れ出すことで話せるようになる原理と一緒です。
DAIGOは実はメンタリストとして、また自分がいじめられっ子だったことの経験も加味して、英語学習【以前】の大事な話をしています。
語学ができるどうこうよりも、まずは、愛嬌がないとダメというのです。愛される人にならないとというのです。この人だったら手伝ってあげようかなって思われる人になるということです。
エレベーターで他の人が乗ってきても挨拶できないような感じの人はそもそもコミュニケーション下手で、英語学習【以前】の問題があるとDAIGOは指摘しています。
もし自分から声をかけられなければ、自分が声をかけてもらいやすい工夫をすればいいというのです。DAIGO自身は亀の甲羅の形のリュックサックを海外旅行の時には決まって持っていくそうです。それは見知らぬ誰かに、それかっこいいね!って話しかけられるきっかけをつくってもらうためというのが一つらしいです。あと、抹茶味のキットカットも持っていって、それをプレゼントすることで会話が生まれるとか。いろんなところでちょっとした工夫が述べられています。
未来逆算思考という言葉があります。これから30年後には日本の総人口は1億人を割り、もっともっと外国人が日本に当たり前のようにいて、外国人と共存する生活になっています。もうすでに沖縄の観光客はハワイの観光客を抜いてしまいました。それだけいろんな国の人がくる国に日本がなってきているのです。
とにかく失敗を楽しみ、脳に負荷をかけながら、外国語学習を楽しんでいきましょう。
COMMENT ON FACEBOOK