国際言語学者の溝江達英です。
投資の勉強は世界情勢の勉強になるのと同じように、言語学習人気も世界経済と強くリンクしています。英語が学習言語で一番人気であるのも、アメリカが経済大国であるということと無関係ではありません。果たして今後、日本語はどうなっていくのでしょうか。
人口学者は日本のこれからの動向を非常に危険な状態であると考えています。今から約30年後には日本人の人口は1億人を確実に切ります。無論、人口ピラミットも高齢層が占め、それを支える労働世代が少なく、棺桶の形に似るというのです。現時点で、20年前よりも、東京都の人口1200万人分の労働人口が日本から消え、あと30年後には3500万人の労働人口が減ります。現時点で労働者に占める高齢者の割合が過去最高で12.4%で世界一の高齢国家となっています。
歳をとっても、若い人と同じパフォーマンスを求められる高齢者は、生きがいの為に働くという方もいるにはいるのですが、若い人がやりたがらない3Kの仕事に従事する方も多いのです。どんなに綺麗事を言っても、今後、確実に若者は減り、老人が増えます。世界一の超高齢者国家に突入しているのが現代日本です。そして、そのピラミッドの上で若者に負担をかけてしまうのが自分らの世代です。つまり、これからの30年、私で言えば、息子が一番の働き盛りの時に、日本の労働人口は今より3500万人少なくなっている為、どう考えても、30年後の日本は今よりももっともっと外国人に溢れている風景になっているはずなのです。国際化を好むと好まざるとに関わらず、日本には労働者がいない現実。日本は頭を下げてでも、どうか日本に来てくださいと海外に外国人を獲得しに行く時代になるのです。というか、もう事実そうなっているのです。
今、世界はベトナム人の獲得に必至です。安い労働力と勤勉な国民性ということもあり、台湾、韓国、日本、アメリカ、カナダ、ルーマニアなどがベトナム人の争奪戦を行っています。台湾も日本より10年遅れて、日本のような棺桶型モデルになるというので今から労働力確保に必至です。昔は日本=夢の国と言って、多少の困難があっても、日本に来たがる東南アジアの方が多かったのですが、日本での労働は現状の法では労働者として認められず、あくまで研修生で、最長5年。他国は労働者として認めている一方で、最長12年。日本は日本語を必須項目とし、台湾に至っては中国語が別に話せなくても受け入れる体制をとっています。すぐにお金が必要なベトナム人は距離的にも近い台湾へ移り、日本に来なくなっているというのです。日本は外国人労働者に頼らなければ沈没する未来が見えているのにも関わらず、規制緩和をしないでいるのです。ある時、耐えきれなくなるのは目に見えています。
私は自分のことよりも30年後の子供の未来をどうしても考えてしまいます。今の若い子たちは今以上に外国語が必要とされる時代が来ます。そして、日本語は第二外国語として、もっと言うならば、労働用の言語として学ばれていく機会が増えていきます。それは日本の人口減少動向を見れば明らかで、外国人に日本語を学んでもらって、日本の社会に溶け込んでもらう必要があるからなのです。特に建設現場は悲惨です。圧倒的な労働不足です。
私達の側も、ただただ働きに来る人だけに勉強を強いるのではなく、こちら側からも相手の言葉を勉強する姿勢がなければと強く思います。いつかこの日本の殿様方の受け入れ態度も見直しを余儀なくされます。私たちは確実に起こる人口減少に備えた国際化に対処する構えを今からしておくべきだと思います。その一つの思いやりの心として、外国語を身に着けようと思うのも世界貢献のカタチだと強く信じています。
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