IROAS(イロアス) 公式メディア

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ロシアで壊れた常識

Let’s get language freedom !
国際言語学者の溝江達英です。

先週からロシアにおります。ロシアに来るたびに常識が崩壊する思いです。

まずは空港におりた瞬間からびっくりすることだらけなのです。日本人である私はロシアではもちろん外国人ですからパスポートコントロールに並ばなければいけません。入国審査ですから当たり前といえば当たり前なのですがロシアはなぜか子供がいる場合はどんなに並んでいても、割り込んで、先に入国審査ができるレーンがあるのです。

我が家は息子が5歳なので、優遇されるといえば優遇されるのですが、見た目にはるかに幼い赤ちゃんがいれば、もうそれでこちらは負けで、赤ちゃんがいる家族が優先されます。あとパイロット、CAももちろん、優先されます。割り込み文化なので、せっかく先に来て並んでいても意味が無いのです。1ミリたりとの悪気もなく、割り込まれます。ロシア人はそれは当たり前に感じているわけですが、まあ、律儀な日本人である私は腹が立ってしょうがないわけです。結果、我が家は先に並んでいたにも関わらず20人抜きされて、最後になりました。

ロシアでは信じられないことがたくさんあります。一番、私たちからみて考えられないのはいまだにワイロ文化がはびこっていることです。大学でも難しい試験で通らなさそうな予感がしたら先生に先にお金を積んで通してもらうことがあるわけです。けしからんことですが、未だにロシアはこのようなことがあります。しかもそれが、ある意味、当たり前のことなのです。この国にいると真面目であることの意味がよく分からなくなることがあります。ロシアの常識は日本の非常識、そしてその逆もまたしかりです。

ロシアにいると、時に真面目であることの意味を再考したくなります。かつては共産主義でしたから、どんなに自分が頑張っても給料はあがらないわけです。サボっていても頑張っていても同じ給料なわけです。日本人にとっての、頑張ると、ロシア人にとっての頑張るが違うような気がしてなりません。日本で形成された常識とロシアで形成された常識は全く違うわけですから、異文化の人間が付き合う時に、もちろん摩擦が起きるわけです。土台が違う人と争っても平行線をたどるだけです。

人は恐ろしいもので、非常識だなと思ったものでも、その一見、非常識と見えるものが何度も何度も繰り返されて出現すると、諦めにも似た形で常識に転化します。毎日働くことが美徳という常識も、週一度しか働かない人がたくさんいると別に週一しか働かなくてもいいやと思うようになってしまうわけです。

こうなると、環境は意志よりも強いという絶対原則が働きます。郷に入ったら郷に従えとはよく言ったもので、私たちは完全に環境に染まってしまうのです。自らが自分にとって何が常識かを選びとって行く必要があります。たいていは、環境という名の多数決に埋もれてしまいますが、自分にとって何が正しいかを自分で決めて行く必要があります。

日本だけにいると、日本の環境=常識と刷り込まれてしまいます。ですので、どこかの瞬間で強制的に自分の常識をいい意味で崩壊させるために外にでることを強くオススメします。そうすることで、自己の創造的破壊が生まれます。

言語は文化の表現者である。(Language is the bearer of culture.) といいます。ただ、記号としての語学だけ学んでいても文化が伝達されません。時間を見つけて海外に飛び出すのが一番いいですが、それが叶わない人もいるでしょう。ならば、日本にはひっきりなしに訪日外国人が訪れていますので、彼らとの接触からも文化を吸収するきっかけを掴めるでしょう。一番手っ取り早いのは、外国語で日本語を教えればいいのです。そうするだけで、あなたには断りきれないほどの外国人が群がってきます。無論、言語も文化も同時に享受できる絶好の機会です。

今後、日本は人口減少の一途を辿ります。ということは日本人だけに特化したマーケットだけでは天井が見えているのです。ですので、好きとか嫌いとか言っている場合ではなく、直接、間接を問わず外国人との関係を未来に向けて構築する必要があります。急速に進む国際化の中で今から教養レベルでも実践レベルでも構わないので世界に目を向けて行きましょう。そのためにはまず何らかの語学をやっていくと決めたらいいと思います。

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