国際言語学者の溝江達英です。
先日、大阪で講演会をしました。私の講演会の中では参加者同志で、英語を話させるというワークをすることが多いです。皆さん、話せないなりに何か話そうとしていく姿をみるにつけ、語学は一人で勉強するのは非効率だなとつくづく思うわけです。
たった一人で語学を勉強することはもちろんできないことはありません。地道に本を読み、口ずさみ、暗記していく。これは僕もやっていることですし、世にいう勉強は一人でやっていく地味な作業であることには同意しています。
ただ、話す喜びは格別で、これは人間の本能である、【繋がりたい】という部分を刺激します。コミュニケーションの本質は、繋がりたい欲求を満たすことだと思うので、繋がるためにはどうしても絶対的他者が必要となるわけです。
絶対的他者を自分の孤独な勉強作業の中に取り入れていくと、シャキッとします。自分だけではごまかして逃げられていたことも、相手がいることで、自分は相手の為にも頑張ろうと思うからですね。
私が教師をやり続けているのも、生徒という絶対的他者がいることで、勉強から逃げないためでもあります。
先日は参加者みんなで中学英語の復習をしてみました。
起きる時間だよ! It’s time to get up !
具合悪いの? Are you feeling sick ?
昨日夜更かししてたの? Did you stay up late last night ?
このような簡単な表現を日本語から即座に英語で言ってもらうのです。
ただ、それがスラスラ出てこないわけです。
普通だったら、孤独に、日本語を英語に置き換えるという作業をするでしょう。でもそれでは一生、語学は身につかないのです。
とりあえず英語は差し置いて、この日本語の表現はいつ日常生活で使うのか?を猛烈にイメージするのです。(このイメージを作るのが英語表現を覚えるよりも重要なことなのです。)
僕だったら、息子がなかなか時間に起きてくれないので、起きる時間だよ!は毎朝使う日本語です。毎日使っている表現であり、何よりもその現場がイメージできます。
具合悪いの?ってのも、もちろん使いますが、先日、妻がインフルエンザにかかった時に、この表現は使えました。過去にさかのぼって、この表現はあの時、使えるはずだった!とイメージできるわけです。
昨日夜更かししてたの?は、皆さん、ご自身で、どんなシチュエーションで相手に使うかを考えてみてください。別に、自分が使わなくても、この表現が絶対的他者に言われる瞬間をイメージしてみてください。
こうなってくると、英語そのものを覚えることよりも、とにもかくにも、日本語で自分の過去・現在・未来の発話シチュエーションを決めるのです。
そのシチュエーションの箱の中に、英語表現をぶち込んで行くのです。慣れてくると究極的には英語を覚える必要すらなくなり、基本的な中学英単語レベルのものであれば、単語は自動的に繋がってくるので、ひたすら具体的なイメージを思い浮かべるだけで表現が浮き上がってくるのです。
あれこれ難しいことをやる必要はなく、やるべきは短文暗記です。短文だけひたすら発話シチュエーションとセットにして覚えて行きましょう。短文の累積が、長文になるわけですから。
とにかく話せるようになりたい人はイメージ先行で英語表現をはめ込んでいってみてください。絶大な効果がありますよ。
話す相手がいないと言う人がよくいますが別に話さなくても、外国人と文通してみるといいです。文通なんてできなという人は、一番簡単なのはYoutubeのコメント欄への書き込みをすればいいです。好きな動画を見て、感想を英語で書いてみたらいいですよ。それで反応が返されてきます。チャットほどの即時性はないですが、英語を使えるチャンスはすぐそこにあります。ぜひ思い切って書き込んでみてください。
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