国際言語学者の溝江達英です。
ベストセラーになった【言ってはいけない】
この本の中には身も蓋もない環境遺伝の話しが書かれてあります。高学歴の親の子供はやはり高学歴であるという一般傾向も環境遺伝の中に入ります。もちろん環境を乗り越えて努力して打ち勝った人もいますが、どうしても人は環境に負けてしまいがちだというのです。
環境は意志よりも強い。この言葉が身に染みます。
自分が英語ができなかった理由を遡ると、親が英語ができなかった。という人は多いでしょう。それはまさに環境遺伝です。
では、あなた自身が英語ができなかったら、あなたの子供が英語ができない可能性は非常に高くなることを意味します。それが環境遺伝の怖さです。
勉強もしかり購買活動も環境に大きく作用されます。なんとなく雰囲気(=環境)が良ければ、開拓もないものを買ってしまうこともあるでしょう。英語しか話さなきゃいけない環境に自分の身を置けば、嫌でも少しは話すようになるでしょう。人は環境変化を極端に嫌う動物なので、いつものパターンから外れることには多大な負荷がかかります。
環境変化で真っ先に思いつくのは引っ越しでしょう。引っ越しすると住む街も変わり、行くスーパーも変わり、出会いが変わってきます。ですので、環境変化を起こす意味では一番オススメですが、誰もが引っ越しするわけには行きません。人は環境変化を嫌う動物であることから、そう簡単には自分の巣を変えられないものです。
では環境遺伝の克服には何が一番手っ取り早く、効果があるのか。
それは、言葉を変えること。 これです。これが究極の環境遺伝の負の連鎖ストッパーです。
あなたの回りにいる人はあなたの言葉が引き寄せた人です。自分を作っているのは自分の言葉です。あなたが使う言葉そのものを褒め言葉に変えていくのです。褒め育(ほめいく)ともいいましょうか。ひたすらYou are great ! の連発です。
一貫してここ数回は褒める力を力説していますが、私自身が実は褒められることで伸びてきた人間です。
カナダに留学し、大学の授業でロシア語を履修しました。その先生はご夫婦で授業をされていたのです。見るからに夫婦愛に満ち溢れる先生でした。旦那さまが解説し、奥様が黒板に書く。生徒が正解したら、先生が自前で買ってきたロシアのバレエのDVDを生徒にあげるのです。休憩時間はお茶を沸かし、おやつも出してくれました。そんな授業が大学の講義であったのです。
私は先生に褒められ、やる気になり、ロシア語は博士号を取るまでに至りました。日本からカナダにやって来た学生が、褒め育を通して、大成長しました。
人は褒められる場所で育つことを認識せねばなりません。苦行で身につくことももちろんあります。我慢も必要です。ただ、その苦しみの中にある種の快感を見出すことが必要です。
報酬回路を刺激する学習法と言えば難しく聞こえますが、自分を褒めていく方法こそがあなたに革命を起こします。その前に、自分の目の前の人を褒めてください。それがあなたが偉大になる旅路の一歩です。
褒めるというのは別名、感謝です。
感謝することでこそ、自分に奇跡がおこることを忘れずに。まず、目の前の方を褒めましょう。
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