「ハンドスピナー」
流行りましたねー。私の周りの子どもはみんな持っていたように思います。
こういったおもちゃは「フィジェット・トイ」と呼ばれ、元々は仕事の合間のリラックスや暇つぶし、集中力UPのアイテムとして、海外のイケてるオフィスワーカーの間で流行っていたものでした。
日本にもまずはWeb界隈の大人達に伝わり、それから子ども達へと広まっていきました。同じような現象は日本だけでなく、他の国でも起こっているようです。
さて、この「フィジェット・トイ」
どうしてこんなにヒットしたのでしょう?
何がこんなに人を夢中にさせたのでしょう?
色々な理由が考えられますが、私はそのひとつをこう考えています。
「優れたUI/UXがシンプルに融合されていたから」
前回「UI」について話をしました。
今回は「UX」という概念についてお話しします。
UXとは?UIとの違いは何?
「UX(User Experience)」のそのままの意味は、モノやサービスを通して、ユーザーが得る体験や経験のことです。
…なんだか包括的すぎて分かりにくいですね。
でもそれも当然。元々この「UX」はかなり広義的な言葉で、ビジネスの種類によって様々な捉え方ができるものなのだからです。
なので、ここでは分かり易くWebに限定して話をしましょう。
Webにおける「UX」とは、
「そのサイトを見て、コンバージョンに至るまでのプロセスの間に、ユーザーが抱く感想、感情のこと」
です。
例えば、
表面的なところでは、
- テキストが読みやすくて“いい感じ”
- 綺麗なデザインだから“気分がいい”
- 押しやすいボタンの大きさだから“楽だ”
内部的なところでは、
- ページ読み込みが早いから“快適だ”
- 仕組みがわかりやすいから“ストレスフリー”
- 対応が早くて“嬉しい”
- 対応が丁寧だから“気持ちいい”
この“ ”内の部分がUXです。
そう、UXには形がないのです。UIのように目に見えたり、触れたりできる物質的なものではなく、人間の内部に発生する感情や感想と言った、定量化できないものがUXなのです。
つまり、「ある感情」そのものがUXであって「ある感情をいだかせるもの」ではない(むしろそれはUIであることが多い)ことに注意してください。
ここがちょっとややこしいですね。
また上にはプラスの感情のみを挙げましたが、
- 不快な表現で“気分が悪い”
といったマイナスの感情もUXの側面であることも覚えておいてください。
UIとUXの関係性
ここまでの話を聞いて、
「優れたUXをユーザーに提供できれば、コンバージョン率は上がるだろう」
こんなことは誰しも予想できると思います。
では一体どうやって優れたUXをユーザーに提供するのか。
そこを担うのが前回紹介したUIです。
特にWebでビジネスを展開している場合、ユーザーとの接点はメディアやLP、SNSといったWebサイトに限定されます。
つまりUIでしかUXに影響を与えられないのです。
いかにそこで優れたUXを提供できるか、安心して、気持ちよく、前向きに、プラスの感情を抱いて事を進めていってもらえるか。
UIがコンバージョン率を大きく左右するのです。
よくUIとUXがセットで語られるのにはここに理由があります。
感情をデザインするということ
こういったUXを意識してUI(Webサイト)を構築することを私は、「感情をデザインする」と呼んでいます。
例えばあるプロダクトを販売するLPでは、
1.最初のこのコピーではこういう興味を掻き立てよう
2.この表で一度冷静になってもらって類似製品との比較検討をしてもらおう
3.このコンテンツで一気に所有欲を掻き立てよう
4.高揚した気持ちのまま成約につながる構成にしよう
このように、Webデザインを見た目のきれいさ、カッコよさだけでデザインするのではなく、そこでユーザーが抱くであろう感情(UX)を予想し、コンバージョンに至る道筋を設計していくのが「感情をデザインする」ということです。
このスキルを身に着けるとあなたのビジネスは間違いなく加速します。
具体的には同じリソースに対して得られる収入が劇的に変化します。
これまで0.1%のコンバージョン率、つまり1000人に1人しか成約できなかったサイトがコンバージョン率1.0%に改善、1000人中10人の成約につながり同じ労力で収入は10倍に。
こんなことが可能になるのが「UI/UXを駆使した感情のデザイン」スキルです。
*
ハンドスピナーの話に戻ります。あのプロダクトを「UI/UX」的な観点で見てみましょう。
物体を手の中で高速で回すという、唯一無二の感触、心地よさ(UX)を、単純かつ洗練されたガジェット(UI)で提供する。
ハイレベルなUI/UX、そしてシンプルイズベスト。
まさに究極の「UI/UX」の形ですね。世界中でヒットしたのも頷けます。
これからの時代、稼げるビジネスには優れたUI/UXなくしてありえません。
みなさんにぜひ学んでいって欲しいテーマです。
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