国際言語学者の溝江達英です。
突然ですが、あなたの年齢をこっそり私に教えていただけますか。
この文章から始まる、禁断のコピーライティングという神田昌典先生の本があります。実例が豊富で、反応率が高いFAXDMとそうでないものとを例証し分析してあります。
Webマーケティングの前はみなFAXDMでした。ダイレクトレスポンスマーケティングの実践場がまさにFAXDMでした。
紙の上のセールスマンとして言葉を踊らせなければいけないテクニックとして、【あなたを主語にする】という大事な原則があるのです。
反応率を上げるためには(FAXに限らずセールストークもしかり)、自分を主語にした話しぶりでは、誰も聞いてくれないのです。
あなたの年齢をこっそり私に教えてください。という言い方に代表されるように、あなたに私は非常に関心があるというスタンスが大事であるというのです。
よく郵便箱に投げ込まれて、そのままゴミになってしまうチラシと、そうでないチラシを分析してみるといいでしょう。自分の自慢だけになってしまうものは捨てられてしまうのです。
マネジメントで有名なドラッカーの言葉を借りれば、商品が売れる理由と、お客が商品を買う理由は必ずしも一致しない。というのです。
自分が絶対的にいい商品だと自信があっても、お客さんは売り手の自信に従って買っているとは限らないというのです。
もう少し掘り下げていうと、客は、機能的価値(値段の高さ・低さ)だけにとらわれず、心理的価値でも商品を買っているというのです。
自分の自慢ばかりされたり、売り込まれたりすると、人は拒絶してしまうものです。あいつは、どんなに機能的にいいものを売っていても、その人が嫌いだから買わないということも起こります。 逆に、まあ、商品力は落ちるかもしれないけど、売っている人が好きだから買ってしまうということも起こりえます。
いずれにせよ、商品の売買には関係性の構築が重要なファクターで、自分本位にならないことが鍵になるわけです。
英語の会話でもそうです。英語学習の只中にいると、どうしても、自分のことばかりを表現したくなってしまいます。それだけで精一杯になってしまいがちです。
そうではなく、相手をとにかく褒める余力を持ちたいものです。あなたを主語にするというのは、あなたを褒める。ということも含まれます。
褒められると心理的なギャップが生じます。感情に起伏が生まれるところで、人はそこで自分の話を聞いてくれるのです。
褒めることを忘れて、ただただ自己スキルだけを磨こうとすると失敗します。一番身近に褒めるスキルが使える場所は、家族の中にあります。子育てもしかり、夫婦関係もしかり。 褒める文化の少ない日本に、褒めるスキルを導入して、スピーキングもライティングも圧倒的に伸ばせると確信しています。
あなたは才能の塊です。どうしても、自分の修行が足りないと思いがちですが、相手を主語にするスキルを身につけることで、友達も増え、あなたを慕う人も多くなってきます。
自分よがりほど怖いものはありません。
ぜひ【ほめ英語】へ繋がる道筋をまず母語である【ほめ日本語】の確立を通じて、自分の話を聞いてもらえる下地を作っていきましょう。
それがコミュニケーションスキルの王道です。
ことばを磨くことで人間性も磨かれてきます。何からはじめていいか分からないと行き詰まっている人こそ、相手を褒めてみるということをはじめてみることをオススメします。
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