国際言語学者の溝江達英です。
日本で流行するものの殆どが、日本で爆発する前に、英語圏で話題にされているものです。先行者利益という言葉がありますが、今では先行者=英語で情報を掴める人と同義になっています。仮想通貨案件で成功している人も、もともとは英語圏での先行情報を掴んでいた人です。ICO案件のミートアップでは外国人の参加が半分を占めるものも多数です。UberもAirbnbといったマッチングビジネスもやはり英語圏が元祖です。
どうしても日本語は統計的に言っても総人口70億のうち1億2千万足らずの話者数しかいないので、言語の情報操作という観点から言っても、英語は情報操作言語の筆頭となります。
中国語と違って実は英語そのものの母語話者数はさほど多くありません。英語の純ネイティブスピーカーは4億人程度です。ただ、英語を第二外国語として話せる人の数となれば、その5倍強、およそ、22億人くらいと言われています。
例えばドバイで仕事ということになれば、アラビア語ができたほうがいいのでしょうが、アラビア語は習得難易度が高い為、どうしても英語学習を優先せざるを得ないでしょう。英語はそういう意味で、学習難易度の高い言語の代替可能な補助言語としての役割も果たしています。カナダにはフランス語圏があるわけですが、フランス語=難しいという思い込みで、圧倒的に移民は英語圏に集中するのもそのためです。
日本に輸入される自己啓発も英語圏のものがほとんどですし、本国よりも高値で売られています。どう考えても、英語で直接情報を摂取することで中間マージンが抑えられるばかりか、自分自身が情報の金塊にぶつかることもあるのです。
こう考えてみると、インターネットビジネス界隈にいて、英語ができないこと=日本人の他の誰かが言ったことを使いまわしている=劣化コピーの循環に身を置くということと同義になってしまいます。
例えば、FBでいいね!を5000集めたいとします。普通なら、友達申請をして、自らが友達を増やし、あちらからもいいねをしてもらうという伝統的な手段を思いつくかと思いますが、いいね!は実はフィリピンから買えるのです。ただただ数だけの論理でいいねが欲しいだけであれば、フィリピン人と友達になりいいね申請をお願いしまくるという手があります。このような戦略で、FBのビジネスページを作り、似たような商品を売っているライバル会社よりも、よりいいね!が押されているように演出している企業もあります。
外注に至っては英語ができるかできないかは致命的です。私は英文の品質検品の外注をインドに出します。英語系の仕事であると、ものすごい質の高い英語(イギリス英語)の文章が仕上がってきます。日本とインドの時差は3時間半程度で、日本の方が進んでいますので、あちらに仕事を投げれば、ちゃんと納期に、しかも日本の翻訳会社よりはるかに安い値段で、仕上がってきます。きめ細かくオーダーさえできれば、高額チャージされる日本のサービスに依存する必要もないのです。
長年の教員生活を通じて、英語を言語として好きだという人はさほど多くないことは分かっています。言語学者だったり言語そのものに興味を持っている人でない限りは、大体は英語に付随する何かに興味がある人がほとんどです。住みたい場所が英語圏だったり、英語圏の歌手が好きだったりといった具合です。そうであればなおさら、自分の好きなことに特化して原語で情報を摂取することを試みると、二次情報ではない、よりお得により深い情報が得られること間違いなしです。自分の好きなことを原語で追求すれば、興味も深まり、中間マージンも搾取されず、一石二鳥となるわけです。何よりも英語力がグーンとつきます。
情報の仕入先も含め、また外注先も含め、日本や日本語だけに頼ることから自立していくと、違った世界がまた飛び込んできます。これを機に、どれだけ自分が日本語と日本に依存しっぱなしであるかを再考してみると、英語の価値を再評価できるかと思います。
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