国際言語学者の溝江達英です。
腰が痛いなと思って、腰痛を疑っていたら、実は尿管結石から来る腰痛でした。
というのは僕の体験談です。
腰が痛い=だから腰が悪いはずだ。
こう思うのは普通の判断だと思います。ただ、腰の痛みは実は腰以外のところから送られるシグナルだったということが実体験から分かりました。
同じように語学に当てはめて考えてみると、英語ができない=やはり英単語を多く覚えなきゃ、英語をたくさん聞かなきゃ、話さなきゃと英語、英語、英語ばかりにフォーカスが向くのは当然のことのようですが、
実は母語の日本語の運用能力そのものに問題があることが多いのです。
根本的な原因そのものが実は全然違った場所だったりちょっとズレていたりするケースがとても多いことを肝に銘じておきたいものです。
そもそも論として
外国語ができる人の多くは母語での運用能力も概して高いことが言われています。
だから母語である日本語の運用能力を高めることはとてもいいことなのです。
ただ、日本語は普段無意識に使っている言語であるがゆえ、新鮮味がなく、どうしても頑張って勉強する気になれないというのが実情です。そういう私がそうですから。
なので、日本語の中に紛れ込んでいる漢語表現、すなわち、中国語チックなものを取り上げて、最近は中国語の勉強をはじめました。週に1回、中国語のスカイプレッスンもはじめました。
そうすると、面白いことに、中国語を勉強すればするほど、ああ、日本語の構造をどんどん掘り下げて勉強している気になります。中国語を鏡に、日本語を照らしている感覚になります。
日本語を軸に勉強していると、中国語が学びやすくなったばかりか、英語を知っているお陰で、もっと中国語が分かる速度が速まっている感覚です。
中国語は英語のSVO語順を主流としていて、かつ、日本人が使う漢字の感覚でかなり意味が推測できます。
私たちはどうしても、一本に集中したほうが一点突破しやすいと教えられてきました。
私は大学生の時、その考え方にひどく悩まされたものです。
世の中の多数決が英語だから!というから英語ばかりをやっていたのですが、何か強い違和感を感じていました。
果たして、英語ばかりをやっていて英語が上達するのだろうかと。
イタリア語をやってみたりフランス語をやってみたり、いろいろな言語に手を出していくうちに、英語がより分かるようになったのです。
周りは他の言語をやりもしないくせに、いろいろ手を出して器用貧乏と私を馬鹿にしましたね。
英語を勉強すればするほど、英語は外来語が75%も占める言語だと分かってきたのです。
そして外来語75%のうち50%もフランス語に由来することが分かったのです。
なのでフランス語をやりだしたら英語がより分かるようになったのです。
英語の勉強は英語だけやっていればいい。
これが世の中の間違ったプロパガンダだということが実体験を通じてわかった瞬間でした。
自分の中に確信があれば、世の中の大多数に反抗していいということも分かった瞬間でした。
世の中は英語は英語で考えろという言い方をしますが、私はそれは間違っていると思います。
間違っているか、よほどのバイリンガル環境に幼少期に置かれた人か、ごく僅かな語学の天才しかそれを感じられないと思っています。
だから私を含めた凡人は
そんなオシャレな幻想チックな勉強法より
日本語を掘り下げに掘り下げて、言語全般の仕組みを学んだ方がよっぽど、英語を含め、英語以外の言語までをも科学的に分析できる。
そう思ったのです。だから私は言語の科学にのめりこみ、言語学者になったのです。
スキーは夏にうまくなるという言葉があります。
スキーは冬にうまくなるの間違いですよね。とツッコまれるかもしれません。
スキー=冬という一般論を捨てて
あえて、スキーに必要な筋力は、夏の走り込みで育てられるのだという教えです。
英語は日本語でうまくなるとなぞらえてみたいものです。
まったく関係ないと思われることが本業を強くするということ。
皆さんにも私の腰痛の原因のように、何かズレている真の正体を発見してしまった経験があると思うのです。
回り道や寄り道を恐れず、自分の行うことのすべてが本業の肥やしになっていると考えられれば、トライすることに無駄は無いというポジティブ思考に入れます。
自分が寄り道だと思っているものをどんどん本業へぶつけて、本業を盛り立てられたらいいですよね。
そういう循環を作っていきましょう。
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