先週はメディア運営のキモ、コンセプトワークについて話をしました。
今週はさらにその話を発展させましょう。
舵取りがいなければゴールに向かえない
改めてコンセプトワークとは何か、についておさらいしましょう。
コンセプトワークとは一般的に、
「コンセプトにしっかりと沿った形で仕事を進めていくこと」
そして、ことメディア運営に関して言えば、
「メディアを形成する要素すべてが、そのメディアのコンセプトに準じた形になるように何一つ、誰一人ブレずに同じベクトルを向き続けるように調整すること」
でしたね。
私はこれをよく「船の舵取り」に例えます。
イメージは大人数でこぐ手漕ぎボート。
こぎ手がいくら力強く漕いでも、その力が各人がバラバラに動いていてはちっとも前に進みません。タイミングを合わせるための掛け声や合図が必要でしょう。
さらに漕ぎ手のAさんは左に、Bさんは右へと進む方向を勝手に定めてそちらに力を向けていては船全体としてどちらに向かうか定まりません。
右へ左へ旋回しながら大回りして無駄なルートを通るか、最悪の場合ぐるぐるとその場を回り続けるだけでしょう。
ここで舵取りの出番です。
ボート競技では必ず舵取り(コックス)と呼ばれる人が船に乗っています。この人が漕ぎ手に力を入れるべきタイミングと、進むべき方向を伝えます。それによってボートは力強くゴールへと向かうことができるのです。
メディア運営もこれと同じです。
例えば複数人で運営しているメディアの場合は、ライター、デザイナー、エンジニア…
とそれぞれ役割分担をされていると思います。
それぞれ人間ですから、異なる理想や主義があります。
「このデザインはこうすべきだ!」
「この記事はこう主張すべきだ!」
「このネタはここで扱うべきではない!」
こんな感じでその人のフィルターを通したコンテンツが出来上がってきます。
しかしメディアとしてはそのメディア特有のコンセプトという名の統一感がなくてはなりません。
読者の期待に沿わなくてはなくてはなりません。
そして最終的に収益を得るという目的を果たさなくてはなりません。
ここで舵取りとなるコンセプトワークの出番となります。
目指すべきゴールを明確にし、そこへ向かう道筋を指し示すのです。
そしてそれをみんなで着実に実行するのです。
このメディアに掲載するのであれば、デザインはこんな感じ!文体はこれ!こういった主張!この世代を意識する!とルール化し、統一化するのです。
こうすることでバラツキをなくし、クオリティの安定化を図れます。
コンセプトワーク超実践法
ここまでコンセプト自体と、それを守るためのコンセプトワークの重要性について話をしてきましたが、ここからが本番です。
さぁその実践方法とはどんなものがあるでしょうか?
私が実践している方法はいくつかあるのですが、ここではそのひとつを紹介します。
それはそのメディアに関すること全てをコンセプトとして明文化しておく。
つまりテキストにして見える化をしておく、という方法です。
- メディアのターゲットはどんな人か?何歳?性別?職業は?
- トンマナのルールは何か?発信者のキャラクターは?
- このメディアの最終目的は?リスト取得?ブランディング?
- 発信者の立ち位置は?上から目線?それとも提案型?
などなど。
それらをなるべく詳しく書き出して1つのファイルにしておくのです。
そしてメディアに関わる人すべてにすぐに目にできるように共有化しておきます。
こうすることで、みんながそのメディアのコンセプトを正しく理解し、同じ方向を向きやすくなります。
それぞれが行う作業がコンセプトに沿ったものに自然となっていきます。
これと似たようなテクニックは、メディアの代表格、雑誌の編集部で使われてもいます。
これはソロでメディア運営をしている方にもとても有効な方法になります。
私の場合は新しいコンテンツを作る前にまず一読、公開する前にもう一度こういったファイルを確認するようにしています。
そうすることで、これから作るコンテンツのネタがターゲットにウケるものか、文体はおかしくないか、挿入する写真はテイストが合っているか、そして最後の確認として全体として、このコンテンツがそのメディアに掲載する価値があるか、それらを常に意識してメディアを運営しています。
こうすることで自ずと、ソロでもブレなくコンセプトワークを果たすことができるようになっていきます。
これは私が昔から徹底しているマル秘テクニックです。
*
今回はメディア運営に限ってコンセプトワークの考え方を紹介しましたが、この考え方は実はどんなビジネスシーンにも応用できる考え方です。
特に、
- 大人数でひとつのことを進める際
- ひとりでもフェーズの多い何かを作るとき
などにとても有効になります。
ぜひこの2週分を読み返して、この考え方を自分のものにしていってください。
今週は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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