助動詞というのは英語ではmodal verbsと呼ばれます。modalという単語自身、意味不明と思われるかもしれませんが、実はmood(ムード・雰囲気)の単語の派生形です。平たい言葉でいうと、助動詞とは雰囲気を醸し出す動詞です。
雰囲気なんて所詮、頭で作られるもので、
どらえもんの歌で有名な
あんなこといいな、できたらいいな!
というように頭の中で空想をすきなように描く。
これが雰囲気動詞である助動詞の本質なのです。
だから助動詞は仮定法という空想を描く表現に頻発するのです。
皆さんが1番知っている助動詞はおそらくCANでしょう。
Takashi swims well. という文は一切、助動詞が使われていません。
このように助動詞が使われていない文のことは、直説法の文といいます。
直説法。。。なんかわかりにくいなぁーーーって思った方。
それもそのはず。
これは正【直】に【説】明する方【法】 という長い日本語をめちゃくちゃ縮めて
直説法と言ってしまってるからです。
Takashi swims well. はTakashiは実際に水泳をやっていて、泳ぎがうまい!と正直に説明しているんですよね。
でもTakashi can swim well. で助動詞CANが挟まると
いきなり、雰囲気満々のアニメの世界に入ります。
あんなこといいな、できたらいいなの世界に入るので
Takashiの能力の話になり、Takashiは泳ごうと思えばうまく泳ぐことができるということだけであって、実際に泳ぐかどうかは全然問題にならないのです。
(ひょっとして実際泳がせてみたら泳げないかもしれないのです。)
つまり、現時点で、あくまで雰囲気でしか描写できないので、正直に説明できないのです。すべてが空想の世界で、事実と言い切れないのです。
助動詞のない英文はノンフィクションでめっちゃリアルですが、助動詞がついた瞬間は雰囲気というオブラートがかかってくるので、すべてがフィクションになるのです。
フィクションを醸し出す雰囲気動詞の王様はMAYです。
よって今回はMAYを特集したいと思います。
助動詞MAYは実は、英語のmain (主要な)とか、might(力)と同系の単語です。すなわち、中核の意味は”力”を表します。古い英語ですが、with main and might という表現があり、ありったけの力でという熟語があります。この表現をみても、mainはmightと同じようにmain自身に力という意味がありました。このmainという単語もmightという単語も、実はmayという単語も、全部、力つながりのネットワークで結ばれるのです。
力がなければmain(主要)になれません。実は、machine (機械)という単語ですら遡ればmayと同じ親戚単語です。machine は人の代わりに力になってくれるものですから、may=力という意でネットワークが結ばれる単語のうちの一群です。
力という言葉が人間社会においては権力となり、権力を持つものは強いものとなり、許可を与え、弱い人間をコントロールするようになり上下関係ができてきます。
MAYの中核の意味は力ではあるのですが、同様に力から派生した、上下関係、すなわちPermission(許可・許容)という意味を覚えておきましょう。
そうすれば
You may go now ! というのは、お主、行ってよろしい。みたいになるんですよね。
許可与えてやるよ!っていうなんか上から目線の感じがハンパないうえに、
時代劇感が漂ってしまうので
会話ではYou can go now ! の方が好まれるのはそのためです。
この認める、許可するという文脈は、お決まりで、butが後ろに出てくるパターンが非常に多いことも注目してください。
たしかに〇〇は認めるけど。。。ちょっとね。。。。
的な雰囲気です。
こういう、ああくれば、こう来るだろうパターンが読めてくると、予測力が働いて、英語が急に楽しく思えてきます。
ああ、きたな!このパターンとして処理できる例として、mayが来たらbut予測というのを一例あげておきます。
You may call him a fool, but you can not call him a coward.
彼を愚か者と言ってもいいが(そこまでは許可するけど)、臆病者とは言えない。
こんな感じで言えるんですよね。
あとはお決まりの、許可を求める、
ひざまずいて、ご主人様、なんとかしもべのアタクシをお救いくださいましーー!!みたいなのもMAYが許可を求める用法として定番です。
May the Lord protect you !!!
神のご加護がありますように!
これもひざまずきながら神の許可をこう姿をアリアリと浮かべるとMAYのマンガの世界観がよく分かるでしょう。
最後に1番使われる推量のMAYですよね。これは面白いことに、mayとmay notが同時に使われることが結構あるということを覚えておいてください。
どっちもどっちの50%の確率だからこそ、mayと言っていいのかmay notと言っていいのか分からない人の迷いが如実にでてきます。正直に説明できないもどかしさがここに反映されるのです。
He may or may not be guilty. という言い方が結構自然で、
彼は白か黒かわからない。(犯人か犯人じゃないか白黒つけられない)
これだと文が長いので
He may be guilty. で十分、彼は黒かもしれない。(同様に白かもしれない)が表現できちゃいます。
かと思えば
He may not be guilty.彼は白かもしれない。(でも黒かもしれない)を意味できちゃうんですよね。
推量の意味はIt is possible that….くらいで置き換えるとわかりやすいかなと思います。
that 以下のことは50%ありえる。そう許可していい。でもそれはその反対も同様に50%ありえますよ。お忘れなく!っていう感じです。
This may be true. だったら、
It is possible that this may be true.
と同様に、It is possible that this MAY NOT be true. も含意されてるんですよね。
だから、これは真実かもしれないし真実じゃないかもしれない。
真実かもしれないと許可もできるし(認められるし)、真実じゃないかもしれないというのも同時に許可できる。
こんな感じなんですよね。
こう考えていくと、助動詞ってのはマンガの世界で、リアルじゃない。
フィクションで正直に説明できない。
この雰囲気を味わえれば助動詞なんか怖くない。
こんなことが分かってきますね。
大事なことは、一度、ざっくりでいいので、助動詞とは何か、特に、今日とりあげたcanとかmayを参考書なんかで一通りみておくといいと思いますよ。
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