国際言語学者の溝江達英です。
私たちは思いの外、色にものすごい影響を受けています。
色そのものは文字情報ではないのですが私達の感情に訴えてきます。
逆に言えば、色で人の感情すら操作することも可能です。
例えば、コカコーラ。
コカコーラのロゴの色は何色でしょうか?
ずばり、赤と白の組み合わせだと皆さんは即答できると思います。
潜在意識にいとも簡単に刷り込みがかかってしまっています。私達が頑張って赤と白を覚えたのではなく、思い出せてしまうのです。
なぜ、赤と白に私たちは親しみがあるかというとそのモデルにサンタクロースがあると言われています。
赤い衣服に、白の髭。このコントラストとかぶるのです。
コカ・コーラという商品を親しみあるサンタクロースという人物にをダブらせることによって、消費者はまず人に親近感をイメージし、そして、モノにそのプラスの感情を転移するシステムが伺えます。
この人からモノへ感情をトランスファーすることこそが潜在意識の鉄板だったりします。
事実、私がロシアにいたころ、ビールのテレビCMには人が映っていませんでした。
それは、人間が美味しそうにビールを飲むシーンがあることで、ビールが売れ過ぎてしまうからです。
ご存知、アルコール依存症の多いロシアではビールがあまり売れすぎても困るのです。だから、あえてアルコールのCMは人を出さずに消費量をコントロールしていたのです。
潜在意識に眠っている人と色と感情の関係を知ると、英語の色彩表現の奥深さがよく分かるので、いくつか例を出してみたいと思います。
上述の
赤と白のコントラスト=サンタクロース
これくらいは誰でも異論なくイメージできそうだよね。と言ってくれる賛成が万国共通で多いパターンだと思います。
でも必ずしもそうはいきません
例えば、英語のblueですが、私達、日本人が思う青と英語のblueが同じとは限りません。
英語でのblue は辞書を引いてもらえばわかりますが、ワイセツな色として英語では判断されます。
日本語では青=エッチな感じはないとは思いますが、英語ではそうなのです。
一説によれば、肌の白い白人は静脈が浮き上がって、よく青い筋が見えるので、浮き上がる静脈=肌の露出=裸というイメージからblueにそういう意味がまとわりつくのではないかという人がいます。事実、海外の女性用エステでは、静脈の浮き上がりを消す施術があるくらいです。
こういった発想はさすがに日本人にはない感覚です。
これもまた人の肉体的特徴を中心に、そこから抽象的なイメージを派生させています。
赤の衣装に白ひげのサンタクロース→親近感
静脈の浮き出てる人→肌の露出
このイメージ連鎖の法則です。人がイメージの出処になっています。
英語のgreenというのに嫉妬の意味があるのも、なかなか日本人には理解されません。
これはシェークスピアの作品(Othero)に、緑の目をした嫉妬の怪物が出てくるからなのです。
怪物は人ではないですが、これまた生き物のイメージが、大きく、感情とリンクする表現を生み出したのです。
I am green with envy. という言い方で、嫉妬で頭がおかしくなるという意味です。
これもまた
緑の目の怪物→嫉妬
このように、生き物がベースになって、色の感情表現ができている一定法則があります。
英語のred-handedという意味はこれまた文字通り捉えれば、赤い手ですが、これで現行犯逮捕を意味します。
これもまた 人を殺してしまった直後の生々しさみたいな感じですぐに記憶できます。
赤い手の殺人犯→現行犯逮捕
このようなイメージです。
覚えられない、記憶が苦手という人は、概して、人間を中心に覚えようとしていない。
ここに尽きます。
血塗られた犯罪者をイメージすることで、記憶が鮮明になってきます。
イメージの中心を人に持っていく練習をしてみてください。それが記憶に色を塗る作業なのです。
ぜひ、英語表現を覚えるときも、記憶に色を塗る意識をしてみてください。そうしたら、たくさん覚えられるようになってきますよ。
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