国際言語学者の溝江達英です。
普段、冷静沈着を保つ師ですらてんやわんやで走ってしまう師走に入りました。
日本はこれから忘年会シーズンですね。
唐突な質問ですが、忘年会なり飲みの席で、ドリンクをオーダーする時、その値段に気を配っているでしょうか?
それとも飲みたい物を優先して、値段なんか二の次で、飲み物を注文しているでしょうか?
おそらくよほどお金に困っていない限り、飲みたいものをとりあえず注文しているのではないでしょうか。
お客さん視点では、飲みたいものにフォーカスするという心理を知った上で、居酒屋は仕掛けを考えるわけです。
どういう仕掛けでしょうか。
それは、飲み物の値段を一律にしないという仕掛けです。
お客は値段は二の次で飲みたいものをとりあえず頼む心理を踏まえた上で、店側は、飲み物の値段を一律にしないのです。
巨峰サワーは350円にしておいて、
レモンサワーを420円にわざとしておくのです。
レモンサワーが巨峰サワーより70円高いという理由で巨峰サワーの売れ行きが悪くなるとは考えないのです。
店側は、あえて値段にデコボコ感をつけること(=一律ドリンク350円とあえてしない)で、
お客さんが何杯注文したかを計算しにくい状況を作っているのです。
もしすべてのドリンクが全部350円だったら、10杯飲んだら3500円と簡単に計算されてしまいます。
だから、あえて、ドリンクの値段が全部違う方が、計算するのがめんどくせぇー、お客側はまぁいいやってなるわけです。
それで店側の売上が上がるわけですね。
この面倒くさいからまあいいやぁ!!!!
っていう状態にするために、店は商品の値段にでこぼこ感をつけるわけです。
私達の生活のすべてにマーケティングのワナが待ち構えています。
その代表格に、携帯電話の契約プランがあります。
まあ面倒くさいですよね。
しかも契約書の文字が異常に小さいです。
面倒くさいからまあいいやぁーーー!!
状態になりますね。
さあ、マーケティングの文脈で英語業界を捉えてみましょうか?
私達は仕掛ける側の視点で業界を見つめてみると如何に、面倒くさいからまあいいやぁーー!!に嵌められているかが分かります。
英語ができなきゃ困ると言わなければ仕掛ける側の英語業界は困りますね。
無論、仕掛ける側から見れば、英語を勉強して欲しい訳ですから。
よって英語はネイティブスピーカーから習うべきだ!とか
小さいころから勉強すべきだとかの刷り込みをしてくるのが英語業界の手法です。
でも、ちょっと冷静に考えてみてください。
先ほどの居酒屋の例じゃないですが、
とりあえず英語はネイティブ・スピーカーに習っておけばいいや、
もうそれ鉄板でしょ、
あれこれ、文法だとか面倒くせーのいいやぁーーー!!
そんなのどうでもいい!!的な状態にはめてしまえば
あちらの仕掛けにまんまと乗せられて終了ですね。
無論、講師となるネイティブスピーカーは日本人ではないですから、
日本人がどういうところで英語が分からないか、その苦しみが分からない人が圧倒的に多いのです。
どんなに出産の痛みがツライか、女性が男性に力説してもわからないように、それくらい英語母語話者と日本人って分かり合えないのにも関わらず、
とりあえずネイティブ・スピーカーが教えることなら素晴らしいを作ってしまっているのが英語業界なのです。
語学学習はネイティブと習うのが1番だなんて
そこに全く科学的説明もなく、膨大な暗記が待っているだけのことが多いのに、
その世界観を作ってしまうのがマーケティングの力なのです。
実際、ネイティブ・スピーカーに習えば、文法なんかいらねー、面倒くせー的な、
あれこれ言うんじゃねぇ~よにもっていけちゃうことが多いのです。
だって、ネイティブスピーカーはこういうんですからで済まされてしまうので、
なんで?に答えてもらえないのです。
説明しなくていいなら、誰だっていいわけです。
ぶっちゃけ外国人なら誰でもいいわけで、講師の質は問われないわけですから。
この状態にお客様を連れ込めれば業界のコスパはとてもいいわけです。
ただ、外人であればいいだけで、
別に講師が教育者のトレーニングを受けているかどうかは二の次になるわけですから。
これが大半の英語業界のマーケティングの常套手段です。
私はノリでとりあえずやってみる。信じてみる。飛び込んで見る。
そういうのが実は大好きな人間です。留学上等、飛び込み上等、とりあえずごちゃごちゃ言わずにやってみる!ってのは好きです。
でもそれは若いころの話です。
ただ、自分に時間が限られていることも身にしみてきました。
長年この語学業界の第一線で活躍している経験値から言っても、
ノリでとりあえず外国行けばできる人というのは、めちゃくちゃ数が限られていて、博打に近いと断言します。
飛び込め、やれ、仕事辞めて留学しろ!
ってさすがに無責任に私は言えないんですね。
というのも、言葉は科学として説明できる部分が多く、別にそこまでノリに任せて人生を棒に振らなくても、
やり方さえ冷静に考えて、正しい努力をすれば、絶対にできるからなんです。
だから、ネイティブ・スピーカー信仰を
とりあえずやめてみる。
というのが英語詐欺に引っかからないマインドだと思います。
日本人には日本人なりの戦い方があります。
欧米人のコピーに成り下がることが日本人のグローバル化だとは思ってはいけないわけです。
鍛えるべきは日本人として生まれ考えてきたこの思考を海外に発信する。ここにフォーカスするべきだと思っています。
なので、ネイティブスピーカーに盾をつくレベルで、彼らが言っていることすべてが正しいとか思ってはいけないわけですね。
強い英語学習者になるべきだと思っています。
ただただ、習ったことをありがたく吸収する段階を越えて、いつまでも生徒ではなく、先生としての視点を持つ。これだけで大きく変わります。
みなさんの多くは今年は特に学びが多い年だったと思います。
と同時に生徒である機会が多かったと思います。
来る2017年はこの学びを仕掛ける側の視点、そして教える側の視点に変えられたら素晴らしいと思います。
自分にあった英語学習を掴み取ることで
学習効率は大幅に変わります。
言われるがままに無批判に流されるのではなく、一度、立ち止まって、自分にあったやり方、ツボを見つける。ここにフォーカスしましょう。
流される人生ではなく、人生の主導権は自分が握る。
あれやれ、これやれ、じゃなく、これもやりたい、あれもやりたいが実際に叶う人生を語学学習を通じて築いていきましょう。
Let’s get language freedom !
日本にいながらにして十分に超一級の英語使いになれるんです。
その高いセルフイメージを持って少しでも昨日と違う自分を創り最高の2017年にするべく準備をしてまいりましょう!
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